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日本語教師養成講座のある通信制大学!420時間・日本語教育能力検定との比較

オーストラリアで働く日本語教師の体験談

オーストラリアで日本語教師になるために

オーストラリア、特にここクイーンズランドには民間の日本語学校があまり存在しません。ですから、ここで日本語教師になるにはオーストラリアの大学の教育学部を卒業し、現地校の教員になるのが一般的です。

私は、現地の国立大学の言語学部と教育学部で所謂ダブル・ディグリーと言われる課程を修了し、セカンダリースクールと呼ばれる中学・高校の日本語と社会科の教員資格を取得しました。

大学では、主教科と副教科となる2科目以上を専攻する必要があります。私のようにダブル・ディグリーを専攻している場合、副教科の選択肢は限られます(私の場合は英語か社会科のどちらかでした)が、教育のみを専攻する場合は自由に副教科を決められます。

実際、私が今まで出会った日本語教師の副教科は、音楽、体育、理科、数学、美術等と分野が多岐に渡っていました。

但し、あまりに奇妙な組み合わせにすると学校側が時間割を組みにくかったり、前任や後任と引き継ぎにくかったりするので、採用されにくくなるかもしれません。

逆に、高校英語や物理、数学といったなり手が少ない教科を専攻すると就職しやすくなる傾向があるようです。この場合、日本語の授業数が極端に少ないということも多々あるようなので注意が必要です。

教育学部は4年間ですが、ダブル・ディグリーだと学部によって大体4年半から5年のコースになります。

1年は2学期制で通常1学期につき4教科分の単位を取得するようにカリキュラムが組まれていますが、私の大学は単位を取得次第卒業できましたので、1学期につき5教科分の単位を取得したりして、通常4年半だったコースを4年で卒業しました。

具体的には、大学の1、2年生で主に言語学部の単位を取得し、3年生から5週間の3回の教育実習を含む教育学部の単位を取得し始めました。

途中、教育実習で5週間抜けることになるのですが、教育学部以外ではそのことが組み込まれていないので、その間に試験や提出課題が重なっていることも多く、その場合には独自に担当教科の教授と交渉する必要がありました。

日本で大学を卒業している場合、Graduate certificate や Graduate diplomaのような1〜2年の短期間で教員免許を取得できるコースもありますが、制度がコロコロと変わるので事前に確認する必要があります。

但し、留年や休学をしない限り、入学時と卒業時で制度が変わっているということはまずないと思います。


教育実習から大学卒業まで

大学3年生から卒業するまでの間に計3回、大学に紹介された現地の公立や私立の学校に教育実習に出向くことになります。

車の有無や現住所を多少考慮してもらえますが、必ずしも近くの学校で実習ができるとは限りませんし、たとえ遠くとも交通費が出るということもありません。

教育実習では、1回目に日本語、2回目に社会科、そして3回目に日本語と社会科の両方を教えました。

1日に1教科につき1時間程度教え、あとは指導教員の授業を見学したり、チーム・ティーチングをしたりしました。3回目の実習先が公立校でしたので、後半には校長先生や教頭先生、直接の指導教員と面接がありました。

その時に、勤務地や勤務体制(常勤、非常勤等)の希望も提出しました。面接後に新米教師としてのグレードが付けられ、大学卒業後公立の学校に勤務することができるようになりました。

まだ私が学生だった頃、この面接は各実習先で行われていましたが、最近では実習先が段取ってくれることは少なく、基本的には教育委員会に指定された面接先に出向く形になっているようです。

大学で全ての教育課程を終え無事大学を卒業したら、クイーンズランド・カレッジ・オブ・ティーチャーズ(Queensland College of Teachers)という機関に登録します。

ここに登録されない限り公立、私立に関わらず現地の学校で働くことはできません。

最初の1年は、条件付き(provisional)の登録となりますが、1年終了後に勤務先の校長先生の推薦によって一人前になることができます。

尚、英語力を証明するためIELTSで7.0以上の成績を求められます。

就職活動 公立の学校を希望する場合、教育実習をしている間に面接は済ませてありますので、教師としての登録ができ次第、教育委員会から採用の連絡があります。

もちろん、グレードが良い人、僻地希望の人等のほうが雇用される可能性が高いです。

もし、採用の連絡がこなくても、代用教員(relief teacher)としてキャリアをスタートさせることができ、そこから契約、正規へとステップアップしていくことも可能です。

私立の学校を希望する場合は、一般の就職活動と同様、求人サイトや新聞の求人欄を参照して履歴書を提出することになります。

永住権のような現地で働けるビザを保有していることや一定期間の経験があることが応募条件になっていることも多いです。

教員専門の派遣会社もありますが、新卒を受け付けているところはほとんどありません。

尚、公立、私立に関わらず、教育実習先がそのまま初任校になるということもままあるようですので、この辺りは運次第です。


日本語教師としてのスタート

私の場合は、応募した私立の学校がたまたま最初の教育実習先の校長先生の転任先で、病欠の人の穴埋めという形で採用してもらうことができました。

前任の人が中学校の先生だったため、そこでは中学1年生の日本語と中学1、2、3の社会科を担当し、中学2年生の学級担任も受け持つことになりました。

日本語教師としての募集でしたが、結果的には年間を通して社会科の授業数のほうが多かったです。

LOTE(Language Other Than English)と呼ばれる言語学習が、ここでは小学5年生から中学2年生まで義務付けられていますが、どの言語を採用するかや、いつから始めるか等はその学校や校長先生次第です。

ですから、必須科目のクラスには「日本人や日系人」、「日本語学習を小学1年生から続けている生徒」、「小学5年生で日本語学習を始めた生徒」、「小学校での言語学習が日本語ではなかった生徒」、「全く言語学習の経験がない生徒」がひとつのクラスに混在しています。

また、英語が母国語ではない生徒も一定数存在します。ですから、そのことを念頭に置いた上で教案を考える必要があります。

一方、選択科目の高校2、3年生のクラスでは一定の生徒数が集まらず複式学級になることもよくあります。

複式学級の人数にも満たない場合には、日本語のクラスを確保してもらえず、生徒たちは遠隔教育を受けることになります。

そうなると、ますます日本語を選択する生徒が減り、日本語の廃止という流れになることが多いですから、必須科目であるうちにどれだけの人数を囲えるかがカギになります。

複数の言語を採用していて、全員が半年ずつ全言語を学習するというシステムの学校では人数確保が特に難しいです。

また、日本語教師の仕事で一番難しいのは教室運営だと思います。

日本では「学級崩壊」と呼ばれそうなクラスもザラにあり、それをまとめるのが教師の役目です。

提出物を期限までに出さない生徒やテスト当日に来ない生徒もたくさんいます。長期休暇前に旅行にでかける、という家族もいます。

ですから、担当している生徒だけでなく、その保護者と会話をする機会も多々あります。

日本語教師が学校に1人だけだったり、教科主任が言語関係でなかったりした場合、詳しいことを相談できる相手に困ります。ですから、校外との横の繋がりはとても大切だと考えています。

学校によって、日本語科の置かれている場所は言語科だけでなく、英語科だったり、社会科だったりと本当にマチマチです。

一度は、芸術科の中に日本語科が置かれており、美術、手芸、ドラマ、ダンスといった先生方が同僚で、教科主任も外国語を全く知らない美術の先生でした。

教科主任が日本語を知らない、日本語教師が1人しかいない、というのは善し悪しで、裏返せばシラバスに沿っている限り、自己責任で自由に授業を組んだり、アクティビティをしたりできる、ということです。

また、放課後に時間を取られる教科別会議も存在しないので、その気になれば自由且つ独創的な理想の授業を追求できると思います。

オーストラリアで働く日本語教師の給料はいくら?